大雨一過で鉾建て。
まだまだ西日本では豪雨の爪痕が残っている場所も多く、元の日常に戻れない方も多く、心配な日々を過ごしておられるかと思いますが、そんな中今年も京都の夏が始まりました。直前まで地震、大雨と落ち着かない日々でしたが、直前に大雨の山場を越えて祇園祭の鉾建てが始まりました。
毎年職場の目の前で建てられる長刀鉾を休憩時に見に行くのがお決まりのパターンになりつつあったのですが、今年は少しだけ足を伸ばして月鉾を見に行くことにしました。
途中、道路ではすでに電信柱が鉾巡行用に黄色のネットで保護されていて、祭りの準備が着々と進められていました。
月鉾は、長刀鉾・函谷鉾(かんこぼこ)と並ぶ祇園祭の有名な鉾で、鉾の先端にひと際目立つ三日月が特徴の鉾です。
とは言っても鉾建てが始まったばかりだったので、まだ横倒しの状態で特徴的な装飾物はまだ何も取り付けられていない状態です。
祇園祭の鉾は釘などを一切使わずに各骨組みを縄で固定します。この縄で固定する仕組みを「縄がらみ」と呼ばれています。縄の幾何学的な文様が非常にきれいですね。
縄がらみの蝶の部分もまだ途中の状態でした。
鉾建ての始まる一昨日から大雨が去って、非常に綺麗な青空に縄が映えますね。
ここまで技術を要する祇園祭の鉾ですが、大勢の作事方と呼ばれる大工さんが参加されて約3日間という短い日数で完成してしまいます。下は長刀鉾ですが、まだまだ美しい縄がらみは編まれていない状態でした。
鉾が保管されていた建物の中には、まだ使う予定の縄が大量に積まれていました。
鉾一台に使われる縄の長さは合計で5kmにもなるとのことで、この縄の量も納得です。この縄が美しくも複雑に絡み合って、強度としなやかさを両立させていきます。
今日はもっと作業が進んで、鉾が“立つ”ところまで進んでいるかもしれませんね。職場が近いので逐次見ておきたいとは思いながらも仕事の合間にしか見ることができないので少しもどかしい感じです。仕事帰りにでもまた見てから帰ってみようと思います。
今年の祇園祭は鉾巡行の予定日こそ平日ですが、お祭りのピークである宵山は週末に当たっているのでかなり混雑しそうですね。