3代目での使い勝手の向上。OSMO MOBILE 3。
OSMO MOBILE 3を実際に使ってみました。2の時と違って、色々と使うまでの手順が変わっていますね。個人的にはかなり楽になりました。
使えるようになるまでがスピードアップ。
使って比べてみるとわかるのですが、接続までの手順や接続が確立するまでの安定度・速度が増している感じがしますね。実際に使うまでは以下のような手順です。
1.まずはスマートフォン側でアプリをインストール。
まずはスマートフォン側の準備を行っておく必要があります。基本的にOSMO MOBILEシリーズは静止画・動画・その他の撮影モードの記録をすべて専用のアプリ経由で行います。
DJI Mimo – Google Play のアプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=dji.mimo&hl=ja
「DJI Mimo」をApp Storeで
https://apps.apple.com/jp/app/dji-mimo/id1431720653
OSMO MOBILE 2 の時はDJI GOというアプリでDJI製のドローンと同じアプリを使っていましたが、この前発売されたOSMO POKECTからDJI Mimoに変更になっていますね。
2.OSMO MOBILE 3にスマートフォンをセット。
次にOSMO MOBILE 3にアプリインストール済みのスマートフォンをセットします。アプリはセット後に起動しておきます。
ホルダー部分は普段はロックされていますが、スマートフォンを挟み込むことでロックが解除されクルクルと回るようになります。ここで落とさないようにスマートフォンをホールドさせます。
OSMO MOBILE 2だとここでスマートフォンをセットした後に、バランスを調整する必要があり、微妙なアームの調整を行っていました。OSMO MOBILE 3ではアーム部分の機構が大幅に変更されたため、左右両方に余裕が出来てあまり厳密にバランスを調整しなくてもよくなったので楽になりました。
3.OSMO MOBILE 3のアーム部分を展開。
コンパクトに折り畳まれているOSMO MOBILE 3を展開します。グリップを持ち、手前方向にアームを引き起こします。この動作は2の時には無かった手順ですが、それほど時間はかかりません。OSMO MOBILE 2の時のバランス調整の方が時間がかかっていた印象です。
4.OSMO MOBILE 3の電源をONにする。
OSMO MOBILE 3のMボタンを長押しして電源をONにします。2の時は無かったピピッというビープ音が鳴ってわかりやすくなりました。
すでにスマートフォン側での接続設定が完了していればここで自動的に接続が完了しジンバルが動き始めます。初回時はアプリ画面の上部に機器を発見したことがダイアログで通知されますのでスマートフォンの画面上で「接続」ボタンをクリックすれば接続が確立されます。
先のYoutube動画を見てもらえばわかると思いますが、2の時よりもジョイスティックでのパン操作がより反応が良くなり、ピーキーな動きになった気がします。
文章に書きだすと手順が増えたように感じますが、実際にかかる時間は逆に短縮されているように感じました。恐らくスマートフォンの重心バランス調整の部分が大きく影響しているのではないかと思います。
また、ジンバルは内部にモーターが内蔵されてこの機能を実現させていますが、モーターが動く際のウィンウィンといった動作音はまったく聞こえません。これはOSMO MOBILE 2の時も同じでしたが、モーターのブラシが回る音は意外に耳につくので大事なことだと思います。
トリガーの復活は実は大きなこと。
折り畳みできるようになったことが大きなポイントではありますが、操作やジンバルの使用頻度に直結していたのが、「トリガー」の復活です。OSMO MOBILE 初代ではトリガーが搭載されていて、モーターを搭載したジンバルならではの被写体追尾撮影が簡単に出来たのですが、OSMO MOBILE 2でトリガーはオミットされてしまい、片手だけで切り替えて撮影は出来なくなっていました。
OSMO MOBILE 3ではサイズこそ小さくなったものの、トリガーが復活してくれました。
実はこのトリガーという操作の枠が増えたことで、他のボタンの操作にも大きく影響していたりします。
トリガーでは、
- 1回でActiveTrackがON/OFF
- 2回で位置をセンターに戻す「センタリング」
- 3回でイン/アウトカメラの切り替え
- 長押しでジンバルをロック
- 1回 + 長押しでスポーツモードに切り替え
とかなりたくさんの数の機能が割り当てられました。中にはOSMO MOBILE 2でMボタンに割り当てられていた機能もありますね。結果、Mボタンでは、
- 長押しで電源のON/OFF
- 1回で撮影モードの切り替え(初期設定時は動画と静止画の切り替え)
- 2回で縦位置と横位置の自動切換え
となりました。2ではMボタン2回での動作はセンタリングになっていたのと、2で縦位置と横位置を切り替えるのはバランスの再調整が必要になったりとかなり手間だったので、うれしい変更でした。
このMボタン1回での撮影モード切替ですが、設定から「クイックメニュー」に変更すると、パノラマやStoryなどの他のモードにもアクセスできるようになります。
このモードにしておくと、アプリ内のカーソル操作もOSMO MOBILE 3のスティックで操作できるようになりますね。スマートフォンの画面操作をほとんどせずに撮影できるのはなかなか便利でした。
機種別にスマートフォンのホールド感を比べてみました。
Xperia XZ2 Premiumには不向き。
色々な機種を今まで使ってきましたが、1年程前に発売されたXperiaシリーズは背面が曲面で構成されているので、OSMO MOBILE 2もそうでしたがOSMO MOBILE 3でもやっぱり不向きです。
OSMO MOBILE 3でのサポートするスマートフォンの厚みは、「厚さ ≤ 9.5 mm」、つまり9.5mmよりも薄い機種でないと確実にホールドできない仕様のようです。Xperia XZ2 Premiumは最厚部で11.9mmなので挟めることは挟めますが、グリップできないのです。
ちなみにOSMO MOBILE 2がサポートする厚みは「≤ 8.9 mm」でした。3代目になってサポートする厚みは増したものの、それでもXperia XZ2 Premiumは無理でしたね。
かろうじてホールドしてくれるものの、激しい動きをした際に不意に外れてしまうこともあり、かなり不安が残ります。また、ケースをしているとほぼアウトです。これではジンバルの意味がありませんね。
Xperia ZX 2 Premiumはサイズ的にホールドはしてくれますが液晶サイズが大きいため、バランスが合わず縦方向での撮影しかできません。裏返してインカメラを使うのであれば、このXperiaの曲面シリーズも問題なくホールドしてくれますが、液晶画面がまったく使えないため、無意味ですね。
Xperia XZ2でも曲面が邪魔をします。
同じシリーズのXperia XZ2も画面サイズこそ小さいものの、Premiumと同様に曲面デザインなので、取り付けてみると、かなり不安です。
Premiumに比べると若干ツメは引っ掛かっているようにも見えますが、やはり不安です(笑)。
AQUOS SH-01Lは9.4mmですが…。
たまたま代替機としてAQUOS SH-01Lが手元にあったので、OSMO MOBILE 3に装着してみました。
静止画の記録サイズは4Kサイズですが、動画の記録サイズが1920×1080とフルHDサイズなのでこのAQUOS SH-01Lの出番はなさそうですが、問題なくホールドしてくれるという点では使えるという判断になりますね。
たった0.1mmでしたが、9.5mm以下なら問題なくホールドするという公称値はあながちウソではないようです。
iPhone 6 Sなら?
スマートフォンの市場ではまだまだAndroidに負けるつもりのないiPhoneシリーズならどうだろうと思い、手持ちのiPhone 6Sを使ってみました。もうiPhone 7以降8、Xと発売されてもうすぐさらに新しいモデルが発表されようとしていますが、これでもまだまだ現役です(笑)。
かなりジャストフィットしてくれますね。また、写真には残っていませんが100円ショップのケースを付けたままでも問題なくホールドしてくれました。
横から見てもこれ以上ないくらいにツメががっちりホールドしてくれています。
iPhone Xは手元に無かったのですが、iPhone 8 が7.3mm、iPhone Xが7.7mmなのでこのツメで問題なくホールドしてくれると思います。
私の場合、iPhone 6Sが常に手元にありますし、センサーの処理はさすがに最新のiPhoneシリーズには負けてしまいますが、4K撮影も可能ですのでOSMO MOBILE 3には2の時同様にiPhone 6sで使うことになりそうです。
比較まとめ
機種 | Xperia XZ2 Premium SO-04K | Xperia XZ2 SO-03K | iPhone 6S | AQUOS SH-01L | Galaxy S10 SC-03L |
---|---|---|---|---|---|
重量 | 約236g | 約198g | 143g | 約155g | 約158g |
厚み | 最厚部 約11.9mm |
最厚部 約11.1mm |
7.1mm | 9.4mm | 約8.5mm |
ホールド感 | かなり不安 | かなり不安 | 安心できる | 問題ない | 安心できる |
元々、OSMO MOBILE 3のスペックは公開されているのでそれを確認しておけば良いのですが、普段から自分のスマートフォンのサイズを把握している人も少ないので、購入する前に可能であれば店頭で実機を試してからの方が良いかもしれませんね。
上のGalaxy S10は撮影こそしていませんが、試したところギリギリでしたが問題なくホールドしてくれましたので記載しておきました。
擦り減るロック部分には注意。
OSMO MOBILE 3では折り畳み機構が追加されていますが、折り畳んだだけではあまり意味が無いので折り畳んだ際の形状を固定する為のロック部分があります。
この部分ですが、畳んだ時に上手く入ってくれれば良いのですが、ゴリゴリっと擦れる時があり、頻繁に折り畳むことはあまり想定されていない感じですね。
最初、あまり折り畳む機構に慣れていなくて、「あれ?固定されないな」と思って色々試していたのですが、この当たる溝の部分がプラスティック同士なのでどうしてもこうなってしまうようです。
あまり無理やりではなく、きちんと固定位置を確認しながら折りたたんだ方が良さそうですね。
折り畳み&軽くなっただけでここまで使いやすく。
確かつい最近のことだと思いますが、ジンバルの折り畳み式を最初に発表したメーカーは、DJIではなかったと思います。
最初は折り畳み機構を取り入れることで強度が無くなるだけだろうとしか思っていなかったのですが、OSMO MOBILE 2がややモバイル性に欠ける(キャリーケースに入れているとやはり嵩張る)ので、(折り畳み機構が)定着するのか、それとも一過性のもので従来の機構に戻るのか静観していたところ、DJIがOSMO MOBILE 3を突然出してきたので食いついてしまった、というのが今回です(笑)。
OSMO MOBILE 2は確かに優秀で今までスマートフォンで動画を撮ることは少なかったのですが、安定した動画が撮れると実感した途端、使う機会が増えました。
ですが、安定の為に思ったよりも機材のサイズが大きくなってしまうことと、重さがどうしても気になっていました。旅行等で使うとなると長時間持ち歩くことになるので、この部分はかなり影響してしまいます。
OSMO MOBILE 2は485gでしたが、3は405gと約80gも軽量になったおかげで子どもと公園に出かける時も気軽に持ち出せるようになりましたし、実際に持って長時間撮影していても疲れにくくなりました(2の時はしばらく持っていると手首に疲労感がありました)。
確実に私の中でのジンバルの順位を上げてくれる機種ですね。