石川県能都町、宇出津(うしつ)のあばれ祭に行ってきました。
妻の親の地元、石川県能登町の宇出津(うしつ)で毎年行われている「あばれ祭」に行ってきました。
あばれ祭|行事案内|能登町役場
http://www.town.noto.ishikawa.jp/www/event/detail.jsp?common_id=2563
初めて見に行った年は担ぎ手としても参加させていただいたりしていたのですが、ここ数回は子供たちと一緒に祭りを楽しみながらカメラを構えたりして楽しませていただいています。
ただ、ファインダー越しに祭りを見ていると、どうしても参加したくなってしまいますね(笑)。カメラを担ぎながらの参加はこの祭りの場合、性質上不可能なのでもどかしいところではあるのですが(笑)。
今年のあばれ祭は7/7(金) ~ 7/8(土)となっていましたが、実際は7/9の明け方まで行われるので宇出津の町はこの3日間、どこもお祭りムード一色になります。
私は7/7の金曜日の夕方に娘が小学校から帰ってくるのを待ってから京都を出発したので、一日目の祭りは今回は見ていません。来年はこちらもゆっくり見たいですね。
お祭り二日目の午後から「きりこ」と呼ばれる山車がを町内ごとに全部で約40基が出され、町中を練り歩きます。宇出津は海沿いの町なので海抜4.0m、ちなみに京都の気象台で海抜41mですね。町中どこを歩いても磯の香りがする港町です。
天気にも恵まれてこの日はかなり気温が上昇して真夏日になりました。担いでいる側も見ている側も汗びっしょりです(笑)。
宇出津の街並みは京都の碁盤の目のような道ではない上に電線も多数交差しまくっているので中央の大きな交差点まで担いでいく様子は周りから見ていてハラハラしますね(笑)。
各きりこが集まってきて、メインストリートの交差点では、辻回しも行われます。二日目昼の一番の見せ場ですね。
今年は初めてきりこ三基が同時に辻回しに挑戦するという珍事(?)も。三基が回る様は圧巻の一言でした。
こうして町内を練り歩いたきりこは、夜に丘の上の神社へ奉納される神輿のお供をするために夜を待つことになります。
あまりの暑さに私は親戚宅で夜までダウンしてしまいました(笑)。夜の出囃子で目が覚めましたが(笑)。で、あばれ祭の真骨頂とも言える夜の世界へ繰り出してみました。
夜は町中を練り歩いたきりこに灯りが燈って幻想的で、昼間よりもさらに活気と熱気であふれかえっていました。
数年前までは、この灯りも通常の電球を使っておられたそうですが、時代の流れと利便性向上の為、現在はほとんどがLED照明に取り替えられているそうです。電源は各きりこの足元に車用のバッテリーを積んでいるのですが、LED照明に取り替えたことでバッテリーも従来の約半分ほどの大きさで賄えるようになったとのこと。これは担ぎ手側にも重量が軽くなるのでありがたい限りですね(笑)。
21時を過ぎていて、空はもう真っ暗ですがきりこの灯りで町中が明るくなっていました。子供も大人も祭を本当に楽しんでいるのが伝わってきます。
きりこは前共(まえども)と後共(あとども)に分かれ、それぞれに白山神社と酒垂神社の神輿2基が八坂神社へ登って行くのをお供する形になります。
神輿は「あばれ神輿」と言われていて、八坂神社へ登って行く途中いたるところでぶつけられ、転がされ、引きずり回されてボロボロになっていきます。時には川に落とされ、松明の下で暴れ、八坂神社の境内では燃え盛る炎の中に落とされたりします。
道路の上でひっくり返された時は近くの地面が揺れるほどで、かなり激しくあばれます。
この足元にあるのがなんと神輿の社部分です。ひっくり返されて担ぎ手に踏まれながら地面に打ち付けられていきます。
川では神輿が来るのをたくさんの地元の人や観光客が今か今かと待ち構えています。
松明の下で、神社までの道のりで散々暴れた神輿は、最後に神社の境内で火の中に飛び込みます。これはもう「飛び込む」というより「火にくべる」と言った方が正しいかもしれない状況ですね。あれ?「くべる」って標準語でしたっけ?
この写真だけを見ると、「神聖な神輿に火を付けるなんて…」とまさに炎上しかねない状態ですが、これがあばれ祭だと拍手喝采になるのです。
壊れ、折れ、焼け焦げ、破壊の限りを尽くされた神輿2基は、神社では納めようとしてもまだ暴れ足りないと宮司に返されては何度も火の中を暴れ回った後、ようやく奉納されます。
今回、元々写真を撮りたいとは思ってはいたものの、子供たちに祭りを見せてやりたいと思う気持ちと、ギリギリのスケジュールで現地入り(日程的には遅れた)したので、「作品」を撮るというよりも、このブログに載せているような「レポート」の写真と子供たちが楽しんでくれている写真を撮ることで、祭りの夜が終わりました。
まだあばれ祭には数回しか訪れたことが無いので、もう少し回数を重ねて、いつかは「作品」と呼べるような写真が撮れるように来年までにさらに撮影のスキルを上げておきたいと思います。