中継するだけでは終わらない、ASUS RP-AC52のちょっと変わった機能を試してみました。
ASUSのRP-AC52ですが、無線LANの電波を中継するだけでなく、ASUSならではの機能が盛り込まれています。
多分他のメーカーでは採用しない機能がほとんどですが(笑)。
最初の外観レビュー時にも書いていましたが、何故か無線LANの機器なのに、3.5mmのイヤホンジャックが側面に付いています。
良くある海外版と国内版でのオミット(省略)された機能の名残では無いです。
3.5mmの音声ケーブル経由で外部スピーカーを接続すると、Wi-Fi環境下でAndroid/iOS端末から音楽を再生できます。
どうやらRP-AC2が簡易的なDLNAの「DMR」(デジタルメディアレンダラー)として動作するようです。
再生は専用のソフト「ASUS AiPlayer」から行います。再生するデータは端末本体に保存されているもの以外にもNASのデータやDLNAサーバ内のデータが再生可能です。下の画面はAndroidタブレットで起動した画面です。
再生するデータを「Library」から、再生するデバイスを「Player」からそれぞれ選択して再生します。
今回は当然「RP-AC52」を選択します。ここからChromecastも選択できますが、動画のキャストは出来ませんでした。音声だけはキャストできましたが、あまり意味はありませんね。
再生中の画面は、あまりインターフェースが凝った画面ではなく、ちょっと殺風景なリストだけの画面です。アートワーク等を大きく表示できるようなモードがあったら良かったかも。
基本的なプレーヤーとしての機能は備えているけど、と言った感じです。
元々、NASに保存していたローカルデータの音楽再生にはOrasonicのスピーカーで聴いていたので、その「音」と比べるとやはり「薄い」印象です。「厚み」が無いというか、「軽い」というか。「チープな音」という表現が合うのかもしれません。
接続自体もアナログの3.5mmジャックで、その上無線LAN経由のデータ転送、今回試したのもロジクールの一昔前のスピーカー「Z305」なのも起因していると思いますが、音の質よりも、この環境で聴けるという事自体にメリットを見いだせる人向きですね。
Z305、悪いスピーカーではないんですが、音楽向きでは無いので…。
他にも、PCから専用のURLにブラウザでアクセスすることで、インターネットラジオが接続しているスピーカーから再生できたり、前面のタッチパネル部分に割り当てる機能を変更出来ます。インターネットラジオはアプリからもアクセスできます。
更にこの機能は使わないと思うのですが、先にブラウザ上で設定を切り替えると、電波の中継では無く、無線LANのアクセスポイントとして動作も可能のようです。
旅行先のホテルの部屋等でアクセスポイントとして動作させて、スピーカーをつなげれば簡易オーディオシステムになります。
自宅のNASとネット経由で接続出来れば、旅行先・出張先でも自宅の音楽を楽しるかもしれません。
少しだけ気になったのは、電源をONにしてしばらくの間だけ、小さな高周波の音が聞こえていました。「キーン」という音でしたが、RP-AC52本体に耳をくっつけるぐらい近づかないと聞こえないことと、一時的な起動時だけだったので、普段使っている分には気にならないレベルです。
中継器としてだけではなく、モバイルで持ち歩いても活用できる機能、DMR機能で音楽までネットワーク再生できると、「ネットワーク機器」のいいとこどりで詰め込んだASUS RP-AC52は一長一短な面も持ち合わせていますが、面白い機器でした。