簡単にHDMIを延長できるエクステンダー。
HDMIケーブルは映像と音声が1本で接続できるので便利です。通常、HDMIケーブルは単体での長さには規格上記載がありませんが、送信できる信号によって長さの限界があることがわかっています。
HDMIケーブルの規格上では、約10mを境に信号の補強や増幅が必要とされていますし、一般の家庭ではそこまでの長さを必要とする環境はそうは無いと思います。
しかし、私の家のような環境では、プロジェクターを天井に吊るしたりしていますし、設置する場所によっては配線の取り回しで10m以上になってしまうこともあるかと思います。出力側と入力側の機器の特性にも左右されるので、10m以上のケーブルでも問題なく映ることもありますが、どちらの機器も入れ替えることが想定されますし、入れ替えたら映らなくなった、というのは困ります。
ケーブル間の両端に接続するタイプのエクステンダー。
規格でも記載があるように、HDMIケーブルをある一定以上の長さに延長する場合は、中を通っている信号を延長部分で増幅してあげることが必要になってきます。
この「増幅」してくれる機器がHDMIの場合、一般的には「エクステンダー」と言われる機器になります。エクステンダーはLANケーブルに信号を変換して区間を延長する機器です。機器によってはLANケーブル2本で延長すらるタイプなど、様々なタイプがあります。
私の職場でも別部屋のブルーレイプレーヤーの映像を天吊りのプロジェクターへエクステンダーで延長して送信したりしています。
HDMIのエクステンダーやリピーター(増幅器)の場合、トランスミッター側とレシーバー側の両方に電源を必要とする機器が多いのですが、今回購入したのは、電源も不要でもっと簡易的なものです。
製品名は今検索してみると同じ商品がヒットしないので、不明です(笑)。
形状は全く同じですが、刻印が「TX」と「RX」になっていて、内蔵されているチップが違うようです。「TX」がトランスミッター(transmitter・送信)側、「RX」がレシーバー(receiver・受信)側となっています。
「TX」は送信側の機器に、「RX」は入力側の機器に接続します。HDMIのエクステンダーの場合は、その区間をLANケーブルで接続します。
LANケーブルにも規格がありますが、今回のエクステンダーの場合はカテゴリー6a 6e 7a以上を推奨しています。オマケで付属していたLANケーブルはカテゴリー6でしたが(笑)。
まだ試せていませんが、今回のエクステンダーは間に使用するLANケーブルのカテゴリーによって延長可能な長さと解像度に制限があるようです。私が使った場合はそこまで長く何十メートルも延長しなかったので、カテゴリー6のケーブルで20mほど延長してもフルHD画質で表示できましたし問題ありませんでした。
変換してくれるだけでも利便性は向上。
HDMIケーブルは安価なものでも長くなればなるほど、その規格上信号は減衰していきますし、5m以上だとかなり取り回しがしにくい太いケーブルであることも多いです。
これがLANケーブルで配線できるのは、宅内配線でもかなり有利になります。壁の中に配線する場合でも、エクステンダーで変換しておけば、LANでの配線作業は作業自体も部品の調達も楽です。
例えば、天井のプロジェクターにこのRX側のコネクターを接続し、壁内部をLANケーブルで延長しておけば、壁面コンセント部分にLAN端子を作って、機器間の延長を簡単にすることも可能です(ただ、LANケーブル間に中継コネクタや壁面コネクタが間に入ってきた場合の検証までは行っていませんが)。
また、このモデルはエクステンダーの中でもLAN端子に信号を変換するだけですので、通常のネットワークの中に接続しても利用できません(IPベースに変換されません)。同じLANケーブルだと思ってネットワークハブ等に接続しても、分岐・延長は出来ませんのでご注意ください。
接続の安定度は、電源ありのものに比べるとやや不安定。
電源を別途必要とする高額な機器に比べると、今回の製品は手軽にLANケーブルで延長できるものの、やや不安定のような感じもします。通常、HDMIケーブルを接続した場合、すぐに認識して画面出力が開始されるのですが(PC側での画面出力設定にも左右されますが)、このモデルは接続しただけでは認識してくれないことがありました。
接続し直したり、出力設定をPC側で変更したりすると認識してくれるのですが、やや不安定かなという印象です。
ただ、それを差し引いても、手軽に延長できる手段というのは持っておいて損はないですね。