性能を凝縮したミラーレス EOS M5のタッチ&トライイベントに参加してきました。その2。
9月15日に発表された、キヤノンのミラーレスカメラ、EOS M5のブロガーイベントの続きです。今までのミラーレスには無かった要素を取り入れた、ハイブリッドなカメラに仕上がっています。
私自身も今までミラーレスを購入したいとは思ったものの、やはりデジタル一眼レフより見劣りする部分が気になって買わなかったユーザーの一人でもありますので、その点に於いては「満足しているか?」と聞かれると、「していなかった」と答えることになります。ミラーレスという構造上どうしても実現できない機能があるとは思いますが、このEOS M5はその欠点とも取れる部分を上手くカバーされているように感じました。
前回の記事で書いたような、タッチパネルを使ったAFのドラッグ操作は、やはり基礎となるセンサー部分が良くないと実現できない機能ではありますが、それだけでは実現できません。新しくなったDIGIC 7で行う画像解析と合わせることで従来機よりもさらにAFサーボの追尾性能が向上しています。
実際に動く鉄道模型で試してみましたが、Nikon D5300よりも追従性能がかなり良い印象です。数年前の機種なので、比べること自体おこがましいのですが(笑)。
また、AFサーボの追尾性能が良くなると、連写して見たくなるのが人の性というものです(笑)。AF追従時で最大秒間7コマ(31枚まで連写)、AF固定だとなんと秒間9コマ(26枚まで連写)の撮影が可能です。私のNikon D5300が秒間最大5コマですから、EOS M5で撮影してみた時も、決定的瞬間を逃さない連写というのを体感できました。
また、EOS Mシリーズでは初となるEVFの標準搭載や、EVF自体の画素数の向上、レンズの光軸上にEVFの中心を配置するデザインなど、ミラーレスでの撮影スタイルがより一眼レフに近づくようになりました。
構えてみても、一眼レフを構えている時とあまり違和感がないように感じました。EVF自体の慣れは必要だとは思いますが。
一眼レフの撮影では、ファインダーを覗き込みながらダイヤルで直観的にF値やISOなどの設定を変更していることがありますが、ミラーレスではボタンが少ない代わりにメニュー階層が複雑化し、設定の変更に手間取ることがありましたが、一眼レフ顔負けのダイヤル数と金属性の特殊カットされたダイヤルで、しばらく触っているだけで私でも直観的に設定をダイヤルで変更しながら撮影することが出来るようになっていました。
まさに、「先進」のスタイリッシュなデザインと、一眼レフ顔負けの「触感」がすべてミラーレスサイズまで「凝縮」されたカメラになったということになりますね。
このミラーレスカメラを発表したのはキヤノンですし、日本でも有数のカメラメーカーです。今までのキヤノンの『資産』を有効活用できるのも、このEOS Mシリーズが群雄割拠のこのミラーレス時代の中で生き残っている理由の1つだと思います。純正のマウントアダプターを使うと、一眼レフのEOSシリーズではお馴染みになっているいわゆる「白玉」のレンズなど様々なレンズを使うことが出来ます。
実際に色々付け替えて撮影させていただくことが出来ました。中にはスポーツカメラマンや動物カメラマンの方が使うバズーカ砲のようなレンズも付けさせていただきました(笑)。しかし元々カメラスキル自体が無い私にとってはどれを使っても「すごい!すごい!」と驚いてばかりでした(笑)。こういう時に基盤となる知識があるか無いかで素人がバレてしまいますね(笑)。たしかレンズは「EF70-200mm f/2.8L USM」だったと思います。
上の画像はその「EF70-200mm f/2.8L USM」をマウントアダプターで装着して撮影してみましたが、標準のレンズではきっと出せないであろう綺麗なボケが表現できました。もしかすると、軽量のミラーレス + 一眼レフのレンズという組み合わせは最強のタッグなのかも?と思ってしまうくらいです(笑)。
一眼レフ用のレンズですが、マウントアダプターを装着することで、一眼レフで使っている時とまったく同じに使うことが出来ます。さすが純正ならではというところでしょうか。「EF85mm f/1.2L II USM」で撮影してみると、非常にボケ味も綺麗に表現されています。
※ 全てCanon EOS M5で撮影したものですが、触らせていただいた機は試作機でもある為、元データを80%にリサイズしてJPEGでアップロードしています。
ちょうどイベント場所からは品川駅構内と東京が一望できました。セットレンズとなる「EF-M18-150mm f/3.5-6.3 IS STM」をEOS M5に戻して手持ち撮影したのですが、このクオリティです。
※ 全てCanon EOS M5で撮影したものですが、触らせていただいた機は試作機でもある為、元データを80%にリサイズしてJPEGでアップロードしています。
ちなみにNikon D5300を窓際に置いて、タイマー撮影したものがこちらですが、撮影の状態とその結果を比べると、比べるまでもなくEOS M5の方が良いですね。EOS M5の方は、白飛びしている箇所もあったりしますが、一方は手持ち撮影、もう一方は置いて撮影という違いがありますし、ここまで撮れるとは正直見た瞬間、心の中で驚いていました。
これも新しく搭載された、対応レンズとボディの二刀流での補正である「5軸手ブレ補正」が効いているのだと思います。150mmまでズームしてみると、行き来している人のシルエットまでハッキリ写っています。
オートで撮影していますがISO感度が25600まで常用で使えるので上の画像のようにISO6400まで上がってもノイズが少なくなっています。やはり基盤となる画像処理性能が向上しているからこそです。
同じくタッチ&トライのコーナーで、液晶画面をドラッグして被写体のフォーカスを移動しながら撮影すると、非常に簡単に手前・奥のピントをずらした撮影も簡単に撮影できますね。
また、ミラーレス・一眼レフともに定番のギミックともなりつつある液晶の可動ですが、EOS M5もチルト機構を搭載しています。液晶下部が可動軸になっていて、セルフィー撮影やローアングル撮影でもタッチパネルを使った撮影が可能です。この機能、当たり前にNikon D5300でも使っていますが、無いと画面すら見れないのでやはりあった方が便利ですね。
スマートフォンとの連携ももはや当たり前になってきましたが、EOS M5では新規格のBluetooth Low Energy Technologyに対応し、Wi-Fi接続のみの利用時よりもさらに安定した転送や撮影補助が出来るようになっています。
何世代か前のカメラからGPS内蔵のものが出てきていましたが、GPSの取得に時間がかかったり精度があまり良くなかったりした印象がありましたが、スマートフォンのGPSと連動するのであれば精度は良さそうですね。
ミラーレスのカメラ、しかもキヤノンのブロガーイベントに参加させていただくこと自体初めてでしたが、非常に盛り沢山の内容とわかりやすいプレゼンでした。
最近は停滞気味とも感じていたミラーレス市場に一石を投じるハイエンドモデルで、ユーザー目線から見た不満を開発側がちゃんと汲んでくれた結果生まれたEOS M5なのだと実感・理解できました。
私はニコンユーザーですが、今までのレンズ資産を捨ててでも欲しくなるミラーレスカメラでした。キヤノンの方々、みんぽすの方々、ありがとうございました。