フルワイヤレスをさらに快適にするCOMPLYのイヤホンチップ。
先日のDIMEの付録でCOMPLYのイヤホンチップが入っていて、その質感と装着感に感動を覚えたのが昨年のこと、そして年末に購入したAnker Sondcore Library Airの快適さとこのCOMPLYを組み合わせられないかと思って、イヤホンチップを購入してみました。
外観からは想像もつかない新しい素材で新しい質感。
DIME付録のモデルは付録専用のモデルのようで、通常のイヤホンには使用しても問題ありませんが、フルワイヤレスイヤホンのようにケースに格納するタイプの場合、付録モデルの大きさだとケースに入らなくなってしまいます。これを解消したのがこのモデルのようです。充電ケースに格納するようなフルワイヤレスのモデルに合わせたサイズになっています。
イヤホンチップとしてはこんなものなのかもしれませんが、かなり簡素なブリスターパッケージに入っていますね。 正直なところコレにどこまでの効果があるのか、このパッケージを店頭で見てもかなり不安になります(笑)。
取り出してみましたが特殊なシリコンで作られたイヤホンチップなので、少し持つだけで形状が変わるくらいの柔らかさです。ブリスターパッケージの中でも多少偏って形状が変形していたくらいです。
このCOMPLYのイヤホンチップは、ポリウレタンフォームという素材で出来ており、粘弾性と通気性を両立させ、なおかつ温度で柔らかさも変わるという特殊素材です。「低反発枕のイヤホン版」と自分の中では理解していますが(笑)。公式サイトで詳しく説明されているので、そちらの方がわかりやすいかも。
通常は出来る限りイヤホンのドライバー部分から出る音をダイレクトに鼓膜まで届けたいのですが、このCOMPLYのチップには耳垢ガードと呼ばれるフィルターが間に入っています。
通常モデルとは違う、ワイヤレス専用に作られたサイズ。
DIME付録のものと比べてみました。DIMEの付録のモデルは特別モデルなので、通常販売されているものと若干仕様が違うようですが、イヤホンチップとしての大きさなどは同じなので、比較してみました。
チップとしての径は同じですね。イヤホン側のチップ取付部分が、200・400・500のサイズに適合しています。
こうやって見ると、ワイヤレス用のサイズはかなり小さく作られていることがわかりますね。また、付録のモデルの方は耳垢ガードのフィルターが無いのも特徴です。この付録のモデルもイヤホンの装着感かなり良くなるので他のイヤホンで愛用しています。
イヤホン本体と耳への装着には少しコツが必要。
年末から愛用しているAnker Soundcore Library Airに装着してみました。右が付属の標準イヤホンチップです。
通常のチップ交換のようにすればよいのですが、あまり引っ張ったりグリグリと押し込むようにしてしまうとウレタン部分が破れてしまいそうなので慎重に取り付けます。
純正のチップだとイヤホン本体の音筒に覆いかぶさるように付いていたのですが、COMPLYに交換すると、取り付ける「クビレ」の部分までなのでやけにすっきりした外観になりました。
ポリウレタンフォームでの密着度が良い音につながります。
形が多少イビツになっているのは、装着する際に指で持ったからで、時間が経てば徐々に元通りの形状になっていきます。
COMPLYのチップで耳に装着する場合は、指で少し押しつぶしてからすぐに耳孔へ入れます。
こうすることで、形状が元に戻る際に、耳孔の形状に合わせた形になっていき、フィット感が高まるという仕組みです。また、耳の中で皮膚に接触した部分は体温で熱をもってさらに柔らかさが増して、チップが戻ろうとして耳を圧迫する締め付け感を和らげてくれます。
人間の耳は複雑なもので、聴覚自体も左右均等ではありませんし、耳孔の形状も違います。これって意外に自分では気付かないカラダの部分です。なのに、イヤホンはすべて左右対称で作られているので、付けてみると、スピーカーでは左右から同じ音量で聞こえていたはずなのに、イヤホンで聴くと「あれ?左に音場が寄っていないか?」と思うことがあります。実は私もそうでした。右耳よりも左耳の方が音の通りが良い気がするのです。
この原因の多くは、左右の耳孔の形状の差異から生まれるチップの接触面の差で、出来た隙間から外の音が入ってくる為です。
このCOMPLYのチップだと、ウレタンのチップが元の形状に戻ろうとする過程で耳孔に合わせた形状になってフィットするので、かなり外の音が遮断されます。
この為、今まで外の音にかき消されていた音が耳に素直に入ってくるようになるので、「結果音質が上がった」となるようです。
一応考慮はされているもののケースはギリギリでした。
ワイヤレスに特化したモデルということで「充電カプセルにも収納しやすい設計」とパッケージにも書かれています。が、Soundcore Library Airのケースにはピッタリすぎるようです。
ポリウレタンフォームの柔らかさのおかげなのか、予めくり抜かれた形状にピッタリはまる感じです。内部のマグネットとウレタンの密着でいつにも増して固定されている感じです。充電も問題無くできています。
ただ、フタ側のチップ部分にもピッタリフィットしてしまう為、今までのような「パチン」と勢いよくマグネットで閉まる感じではなく、「ギュッ」と閉まる感じです。それでもピッタリなので充電LEDも問題無く点灯してくれます。
もしかするとケースに収納する際にも少し指でつぶしてから入れた方が良いのかもしれませんね。
1,600円というコストが引っ掛かります。
ただのチップ一組(2個)に1,600円のコストをかけること自体、なかなか一般庶民には難しいところではあると思います。これはお金の問題ではなく意識レベルの話で、基本的にどのイヤホンも購入すると複数サイズが付属していますし、大多数の人がこの組み合わせの中で自分に合ったサイズを見つけるか妥協するかだと思います。
音にこだわったり、追及する人であれば別ですが、ただのイヤホンチップに一組1,500円以上かけることは一般的なユーザーにはかなりハードルが高いようにも感じます。
せめて700円程度ならとも思いますが、使ってみた感じは唯一無二のもので絶対に良さを実感できるのは確かですが。
長時間イヤホンを付けられない人は試す価値あり。
私の場合というかほとんどの人はイヤホンを通勤通学時に公共交通機関で使っていると思いますが、この交通機関を使っている時にCOMPLYの遮蔽感が効果を発揮してくれます。かなり外界と遮断されるので、音楽への没入感が高まります。
長時間装着していても、いままでのような異物感も少ないですし、密着度が高いので振動でずれていくこともありませんでした。通気性も良いようなので運動時にも向いていると思います。
新しいイヤホンを購入したくはないけれど、いつものイヤホンに一工夫加えて音質をアップさせたいときにはオススメだと思います。